どうも、けすけ|バイク跨って写真撮る人(@keeesk7)です。
2025年7月、SIGMAから登場する「17-40mm F1.8 DC DN|Art」は、世界初のAPS-C用・開放F1.8通しズームレンズとして注目を集めています。
とくに富士フイルムXマウント対応も発表されたことで、富士ユーザーなら、気になっている人も多いはずです。
富士フイルムの代表的ズームレンズの1つとして「XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS」があります。長年「キットレンズの皮を被った高性能レンズ」として愛されてきた一本で、実際にこのレンズだけで何年も運用しているという人も多いはず。
今回は、SIGMAの最新ズーム17-40mm F1.8と富士フイルムの神レンズXF18−55mm F2.8-4を徹底比較していきます。
スペック・設計思想・描写力・操作性・手ブレ補正の有無など、両者の違いを整理しつつ、「どんな人に向いているか」を考察していきます。
スペック比較表
項目 | SIGMA 17-40mm F1.8 DC DN|Art | XF18-55mm F2.8-4 R LM OIS |
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発売年 | 2025年(予定) | 2012年11月 |
対応マウント | 富士フイルムXなど | 富士フイルムX専用 |
焦点距離 | 17-40mm(換算約25.5-60mm) | 18-55mm(換算約27-84mm) |
開放絞り | F1.8(通し) | F2.8〜F4(可変) |
最小絞り | F16 | F22 |
絞り羽根枚数 | 11枚(円形) | 7枚(円形) |
レンズ構成 | 11群17枚 SLDガラス4枚 非球面レンズ4枚 |
10群14枚 非球面レンズ3枚 異常分散レンズ1枚 |
最短撮影距離 | 0.28m | 0.3m(広角)〜0.4m(望遠) |
フィルター径 | 67mm | 58mm |
手ブレ補正(OIS) | ✕ 非搭載 | ○ 搭載(約4段分) |
AF方式 | HLA(高速リニアモーター) | LM(リニアモーター) |
インナーズーム | ○(ズーム時に長さ不変) | ✕(外ズーム) |
絞りリング | ○(電子式・クリック切替可) | ○(物理式) |
サイズ | 約72.9×117.9mm | 約65×70.4mm |
重量 | 約530g | 約310g |
価格(参考) | 約13〜14万円前後 | 約6〜7万円(中古は4万前後) |
年式・設計思想の違いは明確
両レンズの登場時期には、約13年という大きなギャップがあります。
- SIGMA 17-40mm F1.8は2025年設計の完全ミラーレス対応。
インナーズーム構造や高速AF(HLA)、動画向けの設計思想など、最新の撮影環境に合わせた設計。 - XF18-55mmは、2012年に登場したXマウント初期の標準ズーム。
設計は一眼レフ的で、静止画撮影をメインに最適化。
手ブレ補正を内蔵し、絞りリングも備えた操作性の高い1本。
それぞれのレンズが持つ“世代ならではの特徴”を理解することで、自分に合った一本を見極めやすくなるかと思います。
操作性の違い(絞りリング・ズーム形式など)
操作性については、両者の設計思想の違いがよく表れています。
- SIGMA 17-40mmは、電子式の絞りリングを搭載しており、クリックのON/OFF切替が可能。動画ユーザーにとっては無段階の滑らかな操作が可能で、より現代的な設計になっています。
- XF18-55mmは、富士フイルムらしい物理式の絞りリングを搭載。Aポジションにすればボディ側で操作も可能ですが、手元で直感的にF値を変えられるのはやはり便利です。
また、SIGMAはインナーズーム構造でズームしても全長が変わらないのに対し、XF18-55mmは外ズーム式。収納時のコンパクトさではXFの勝ちですが、ホコリの侵入や安定性を考えるとSIGMAに軍配が上がる場面もあります。
どんな人にどちらが向いているか?
ここまで見てきた内容をもとに、それぞれのレンズが向いているユーザー像をまとめてみます。
SIGMA 17-40mm F1.8 DC DN が向いている人
- F1.8の明るさを活かしたポートレートや商品撮影をしたい人
- 動画撮影をよくする(ブリージングや操作性に配慮した設計)
- X-T5やX-H2などIBIS搭載機と組み合わせる予定の人
- 単焦点レンズのような描写力をズームで得たい人
XF18-55mm F2.8-4 R LM OIS が向いている人
- コンパクトでバランスのいい標準ズームを探している人
- X-E4やX-T30IIなどIBIS非搭載ボディを使っている人
- 富士フイルムらしい物理操作感や絞りリングの使い心地を重視する人
- コストパフォーマンスを重視しつつ、描写にも妥協したくない人
まとめ|自分のスタイルに合わせて選ぼう
SIGMA 17-40mm F1.8とXF18-55mm F2.8-4は、焦点距離やズーム域は似ていても、設計された時代・目的・思想がまったく異なるレンズです。
XF18-55mmは、今でも十分通用する性能と手ブレ補正という安心感を持ち合わせており、特に軽量ボディと組み合わせた日常使いでは最適な一本。
一方、SIGMA 17-40mmは開放F1.8という唯一無二の明るさと、動画にも対応したモダンな操作性が魅力の新世代ズーム。
どちらが正解かではなく、「自分のスタイルや使うシーン」に合っているかを基準に選んでみてください。
どちらも間違いなく“良いレンズ”。あなたにとってのベストが見つかれば幸いです。